ぜんそく

気管支ぜんそくとは、気道が何らかの原因によって過敏反応するようになり、刺激によって気道が急に狭まり、呼吸困難に陥る病気です。

発作が起きていないときでも、気道には慢性的な炎症が起きており、少しの刺激でも過敏に反応して気道が狭くなります。息苦しさ、発作性の激しい咳、呼吸の度にゼイゼイいう喘鳴(ぜんめい)などが、典型的な症状です。

気道が過敏反応する原因は、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)などの刺激や感染など非アレルギー性のものに分かれます。

精神的ストレス等、心因的な要因も大きな原因とされております。

カウンセリングと漢方処方

【漢方で改善を目指す】

ぜんそく発作はひどいものになると、命に関わるので、気管支拡張剤やステロイド剤など、即効性にある西洋薬による治療が優先となります。

ただし、西洋薬は「根本治療」をしたり、「体質改善」するものではなく、あくまで症状を抑える対処療法になります。 そこで、漢方薬や機能性食品を併用することも有効な場合が非常に多いです。

一つはぜんそく体質を改善するための根本治療のために、もう一つは、西洋薬の服用量を減らすことにより、副作用の軽減につながるからです。

【処方例】
バクモンドウトウ、セイハイトウ、サイボクトウ、リョウケイキョウミシンゲニントウ、マオウブシサイシントウ、ショウセイリュウトウ

【機能性食品で根本的な体質改善を目指す場合】

自然治癒力を高めるための基礎、『免疫を正す』『粘膜を強化する』などを目的とします。

● 腸管免疫を正す

腸管(腸の壁)を強化することにより、余計な抗原を体内に入れないことがポイントです。具体的に言いますと、便秘症・下痢症の人はなかなかよくなりません。 近年、腸管免疫と言う概念が重要視されています。

腸管を強化するのに、当方では初乳の成分・免疫ミルクおよび免疫乳酸菌と呼ばれているエンテロコッカス・フェカリス菌をおすすめしております。

腸管を中心とする粘膜のバリアー機能を強化します。このバリアー機能には、気管支も含まれます。気管支の粘膜が強化されることにより、ぜんそく症状の改善はもとより、根本治療につながります。近年、腸管免疫とアレルギーは密接なつながりがあることがわかり、学会でも注目を集めております。腸の弱い方(下痢または便秘症の方)はアレルギーがなかなかよくなりません。 アレルギーの原因となるアレルゲン(抗原)を腸管を通して簡単に、体内に入れてしまうからです。免疫ミルクおよび免疫乳酸菌で粘膜を強化し、アレルゲンを入れないようにすれば、気管支喘息の根本的な治療につながります。

免疫ミルクの中にあるラクトフェリンは抗原が体内に入ってからの処理をスムーズに行ないます。風邪などのウイルスが体内に侵入したときにも優れた効果を発揮します。

● 胸腺免疫を正す

胸腺は胸腔に存在し心臓の前に位置します。白血球の教育など免疫機能をコントロールする臓器になります。

気管支喘息などアレルギーをお持ちの方は、この胸腺の機能が狂い、生体に侵入してきた異物(抗原)に対して過剰に搬送しすぎるのです。腸管免疫とともにこの胸腺免疫を正すことが、唯一の根本治療だと考えます。

体質改善・快方のプロセス

最初にご紹介しました【漢方で改善を目指す】ケースでは、ご本人の体質(証)や症状を注意深く見極めながら、漢方薬を処方します。そのときどきに最適なものを選びますので、症状はかなり楽になると思います。

ただ、漢方薬は前述しました『腸管免疫を正す』『胸腺免疫を正す』ことはできません。ですから、根本治療を目指すと言うよりも、永く時間をかけて服用する必要があります(服用を止めると再発する)。

次にご紹介しました【機能性食品で根本解決を目指す】ケースでは、症状が安定するまでに2~6ヶ月が目安となります。

漢方薬を用いる場合より、ずっと症状が安定するまでにかかる期間が短いです。これはアレルゲンの侵入を防ぐことと、免疫ミルクに含まれているラクトフェリンや免疫乳酸菌を摂ることよって、気管支の粘膜が強化されることによるものと考えられます。

さらにアレルギーの原因になる胸腺免疫の乱れ(免疫の過剰反応)を正すものを摂られることにより、さらなる相乗効果が期待できます。

もちろん、この期間でアレルギー体質が完全になくなるというものではなく、量を加減しながら、長期にわたって続けて頂く必要があります。完全に飲むことを止めてしまうと、再発する危険性が高いです。

気管支ぜんそくを患われている方は、アレルギー抗体であるIgE(アイジーイー)抗体の血液中の値が高く出るケースが非常に多いです。

私は、このIgE抗体が正常値になった時点で「完治」と定義します。もちろん、遺伝子レベルの「体質」は変わりませんので、次に記します「養生法」はきっちり守って頂く必要があります。

養生法

遺伝的要因
日本人の約15%がアレルギー体質を持っていると言われています。残念ながら、遺伝子レベルのことになりますので、ここを改善することは非常に難しいです。しかし、同じ遺伝子を持っているはずの、北朝鮮の方と韓国の方では、アトピーの率が全然違います。もちろん、日本の生活に近い韓国のほうが圧倒的にアトピーの人が多いで
す。これは、遺伝的要因よりも環境的要因が強いことを示しています。


抗原(アレルゲン)
アレルギーは抗原-抗体反応によって起こります。ハウスダスト、家ダニなどが一般的です。もし、抗原を完全に無くすことができたら、絶対にアレルギーは起こりません。まず、部屋の掃除(もうされていると思いますが)を徹底的に行ってください。これだけで、ずいぶん違ってきます。


ストレス
一般的にアレルギー体質の方は繊細な人が多く(悪く言えば神経質)、ストレスに弱い場合が多いです。過剰なストレスがかかっている状態ではなかなかアレルギーは良くなりません。端的に示しているのが、受験期に入ってストレスがかかると悪化し、合格すると改善する人が多いことからもわかります。

少し、長くなりますが食養生の話もしておきます。いくら漢方薬を服まれても、食養生をしないとやはり良くなりません。

  • (1)甘いもの(特にケーキやチョコレートなどの脂っこいもの)を避ける
  • (2)身体を冷やすもの(ジュース、果物、生野菜等)を避ける
  • (3)インスタントもの(ラーメン、宅配ピザ等)を避ける

以上の3点を心がけてください。これだけで、ずいぶん違ってきます。どうしても、これらのものを食べたいときは、なるべく午前中に食べるようにしてください(身体が元気なうちに)。

以上をまとめますと、

  • (1)部屋をまめに掃除する。
  • (2)食養生を実施する。
  • (3)腸を大切に。

ということです。

当店では上記のことをして頂くことを前提に、漢方薬をお出しします。治療の期間ですが、完全に体質改善するのにかかるのに2年はかかるとお考え下さい。漢方を服まれるのであれば、ある程度の期間は辛抱して続ける根気が必要です。もちろん症状の改善はもっと短期で現れます。