現在、男性では2人に1人、女性では約3人に1人の割合で、一生のうちに一度は癌に罹患するといわれています。死亡原因の一位で、新たに癌と診断される人(罹患数)は年間64万人以上で、今後、癌の罹患数はさらに増加すると予測されています。

さまざまな研究から、多くの癌に生活習慣病とのかかわりがあることがわかってきました。例えば喫煙や大量の飲酒習慣などは、多くの癌のリスクを高めます。科学的根拠に基づいて、生活習慣を見直すことが、癌のリスクを低減させ、癌を予防することにつながります。

癌は早期に発見すれば高い確率で治る病気になってきました。 癌を克服して、社会復帰を果たす人も増えています。

現在、癌の治療は

  • 外科(手術)療法
  • 化学療法(抗癌剤)
  • 放射線療法
  • その他(免疫療法剤など)

をケース・バイ・ケースで組み合わせて行っています。

このうち、化学療法で使う各種の抗癌剤は、癌細胞を殺して癌を縮小させる効果がありますが、副作用も強く、悪心・嘔吐・食欲不振・下痢・脱毛・肝臓障害・全身状態の低下そのほかのさまざまな障害が現れます。

また放射線療法でも、白血球減少・悪心・嘔吐・食欲不振などの副作用がみられます。

カウンセリングと漢方処方

【漢方処方で改善を目指す場合】

漢方薬の中にも、癌細胞の増殖を抑える制癌作用を持つものがあることが確かめられていますが、やはり直接的に癌細胞を破壊・殺傷する効果は、西洋医学の抗癌剤の方が強いとされています。

ただし、漢方薬を化学療法や放射線療法に併用すると、制癌効果(癌細胞を破壊したり増殖を抑える効果)が強められるとともに、副作用が軽減されることが明らかにされています。

西洋医学の癌治療に併用する漢方薬は、十全大補湯、補中益気湯などの『補剤』が主体で、種々の副作用を軽減して、痛みも和らげます。

これらの処方に配合されている人参(薬用)は、免疫力を高め、抗癌剤や放射線療法による白血球異常そのほかの副作用を抑えることが科学的に確かめられています。

また、十全大補湯、補中益気湯には食欲の改善効果もあります。食欲改善は進行癌などの患者を延命させるポイントのひとつで、『漢方薬併用で食欲改善・延命効果が認められた』という報告が多数みられます。

いずれにせよ、癌を克服するには『免疫』が大切です。ここで、癌を宣告された方に向けて、免疫を強化する方法をお伝えしたいと思います。

●癌と言われたら…

多くの方が「最初は混乱して何も考えることができなかった」とおっしゃっています。「残された家族はどうなるんだろう」「どうして私がこんな目にあわなければならないんだ」と不安の虜になり、お嘆きになります。

また、本人だけでなく、家族にも非常に負担がかかります。しかし、ここで皆様に知って頂きたいことがあります。それは病気に対していろいろ調べられた方でも、癌というものに対するイメージや知識は、根拠のない噂や迷信に影響されてしまっている部分があるのではないでしょうか。事実、日本では様々な癌に対する誤解が生まれてしまっているのが現状です。 今回のお話で。癌と闘う人達の不要な不安をなくし、闘病の支えになれたらと思います。

がんという漢字をご存じでしょう「癌」。この字を分解すると、<病だれ>に<品物の山>です。あれもこれもと手に余る荷物を背負って、休みもとらず、もっともっととひたすら上を目指し、いつも周りに神経を尖らせて・・・ついに疲れ果ててなる病気、それが癌。

だから治すためには荷物を減らすのが一番です。長い人生、すべてを捨てて、一つのことに集中しなければならないときが、一度や二度、必ずあります。あなたにとって今がその時です。命より大事なものはありません。とにかく後悔しないよう、今できる最大限のことをしておきましょう。

●免疫について

人間は皆、疫病から免れる力をもっています。これが「免疫」です。病気になれば、それを治す力も我々は持っているのです。病気と免疫は切っても切れない関係にあり、私たちの体を守る免疫のしくみが正常に働いてこそ、病気を予防し、治し、健康な生活がおくれるのです。これからの健康管理に「免疫」が重要な鍵になることは間違いないことです。

風邪ひとつにとっても、病院などで風邪薬や抗生物質をもらいますが、これらは症状を抑えているだけで、その間に体にある免疫の力で風邪のウイルスをやっつけて風邪が治っているのです。

ちなみに、抗生物質では風邪のウイルスは殺せません。それなのに病院で「抗生物質」が処方される理由は風邪で弱った患者さんが、空気中などの雑菌などに二次感染しないように予防的に出されているのです。世界的にみても、風邪で抗生物質がこれだけ処方されているのは日本だけ。

つまり、お医者さんが風邪を治しているのではなく、結局は自分の力で直しているのである。これが免疫です。

●胸腺

胸腺は長い間、盲腸と同じく『幻の臓器』『幻の分泌器官』などと呼ばれ、いくら調べてもその働きがわかりませんでした。ここ20年程の間で、癌・アレルギーの研究が詳しく行なわれるようになってきて、この胸腺の働きが解明されました。

【赤ちゃんの話】
生まれてくる赤ちゃんにとって、この世の中はとても怖いところです。細菌・ウイルス・カビ・寄生虫…危険がいっぱいです。しかし、生まれてきた赤ちゃんは元気に育っていきます。なぜでしょう?赤ちゃんは、お母さんから母乳により抵抗力(IgA)をもらっています(母子免疫)。しかし、1,2ヶ月と経つうちに、その力が弱まっていき半年くらいでなくなってしまいます。 なくなった後に赤ちゃんを守ってくれるもの、それが胸腺です。

胸腺の働き

胸腺とは自分の体の中を見る『目』です。

  • 自分の体⇒自己⇒味方
  • 自分の体でないもの⇒非自己⇒敵

これを見分ける力があります。自己と判断すれば守り、非自己と判断すれば徹底して攻撃します。腸管免疫系は、体の中で最も大きな免疫装置です。そして複数の領域から構成されています。

腸管免疫系を構成しているのは、(1)パイエル板、(2)小腸上皮細胞とそこに存在する腸管固有リンパ球(ILE)、(3)粘膜固有層とそこに存在する粘膜固有リンパ球(LPL)です。

IELは、上皮細胞5~6個につき1個くらいの割合で存在しており、その数は全免疫系細胞の60%もあろうといわれています。経口的に体内に入る抗原は非常に多いため、これに対応する免疫系細胞も大量に存在する必要があるのです。

1次免疫センターである「胸腺」は、Tリンパ球という士官を育て上げると、その役目は終わります。16歳ごろに胸腺は大きさも働きもピークを迎え、以後は徐々に小さくなって、40歳ごろには四分の一くらいになります。ちょうどこのころが、癌年齢に当たるわけです。

そして、80歳ぐらいになると、胸腺は痕跡程度となり、免疫系からいうと寿命を迎えるわけですが、実際は免疫センターがシフトすることで生涯にわたって働き続けます。そのシフト先が腸管リンパ組織です。

免疫を最大限に高めていくには、胸腺免疫、腸管免疫、の両方を強化していくことが大切です。

Tリンパ球(白血球の成分の一つ)例) 赤ちゃんのそばに結核の人がいる。

⇒結核菌は赤ちゃんの鼻や口から体に入る。
⇒胸腺は非自己、すなわち敵がはいってきたと判断。
⇒胸腺から出る『Tリンパ球』で菌を殺す。

このように普通の人であれば、結核の人と話をしていても少々の菌であればうつることはありません。しかし、寝不足が続く、ストレス、冷えなどにより、体力、免疫力が落ちたときは十分に菌を殺せなくなり感染しやすくなります。

Tリンパ球とは、免疫をコントロールする免疫軍団の司令塔。

  • キラーT細胞:異物の細胞(癌細胞など)を破壊する殺し屋。
  • ヘルパーT細胞:免疫を働かせる役割。

これだけ科学が進歩した現在でも、癌だけをきれいに消し去ってくれるお薬はありません。ですが体には癌細胞を攻撃できる働きをもっているのです。

●癌について

体の中には毎日、3000~6000個もの「癌細胞」ができています。免疫力がしっかりしている間が、発生する癌細胞を自分の免疫力でしっかり叩いているので、癌になることはありません。しかし免疫力が極端に低下してしまうと、体にできてくる癌細胞を自分の免疫力で殺せなくなります。癌細胞はもともと自分の細胞。遺伝子の傷・欠陥・変異により悪性化していきます。

<細胞分裂と癌>
私達の体は60兆もの細胞で作られています。細胞は日々、分裂して体を作っていますが、この分裂(コピー)を繰り返しているうちに、コピー間違い(遺伝子のDNAの欠損や、変異)が起こります。これが、癌化の一歩です。

腫瘍は1~2mmの大きさになるまで4~9年かかります。それまでは見えない状態で成長しているのです。しかし、これを過ぎると急激に成長が早くなります。

【再発と転移】

癌にかかる人とは?

  • 胸腺が悪い細胞と良い細胞を識別することができない人。
  • 識別できても、自分の免疫力で殺すことができない人。

癌細胞を手術で切り取ったとしても、癌細胞はその後も毎日つくられまる。(手術で取りきれなかった目に見えない癌細胞が散らばっている可能性も高い)。癌にかかる人は、その癌細胞を殺す力がないのであるから当然、再発・転移を繰り返しやすい。異物識別能力(正常細胞と癌細胞を見分ける)や、免疫力(癌細胞を攻撃する力)を高めていく手当てが必要です。

●抗癌剤について

【抗癌剤の条件】

  • 癌細胞が1/2~1/3に縮む。(ゼロではない)
  • その状態が4週間続く。
  • 2割位の患者さんに効果がある。

以上、三点をクリアーしていれば抗癌剤となります。癌が完全に消えない上に8割の人には効果がないのです。4週間効果があればいいと言う事は、わずか1ヶ月です。もしその後、すぐに大きくなれば、抗癌剤は効いたけど、残念ながらまたぶり返した・・・・となります。

ここで、ぜひとも知って頂きたいのが「効く」と「治る」とはまったく違うということです。「効く」と「治る」とは何の関係もない。効いたからといって治るわけではないのです。

しかも、抗癌剤は正常な細胞まで破壊してしまうため、体力、食欲が落ち、免疫力の低下、発熱、脱毛などの副作用が出てしまいます。

たくさんの患者さんが今もって、なぜつらい治療に必死で耐えているかというと、抗癌剤が効けば、すなわち〈治る〉と思っているからでしょう?治って30年も40年も元気に幸せに暮らせると思うからでしょう?ところが実態はどうでしょう?何度も言いますが、効くと治るとはまったく関係がありません。

けれど、患者さんはCTスキャンなどで、少しでも癌が小さくなった様子を見せられれば大喜びです。お医者さんから、「効いてますね、おめでとう」などと言われようものなら、もうすっかり治るんだと思ってしまう。無理もないことです。しかし、何度も言うように抗癌剤の実態は、縮小したとしても4週間を過ぎれば、またふたたび大きくなってしまうかもしれないのです。

抗癌剤の副作用はなんですか?

嘔吐、脱毛などですね。しかし、これらは主たる副作用ではないのです。もっとも怖いのは、抗癌剤を使えば使うほど免疫が下がり、かえって再発や転移の危険性を高めてしまうことです。

癌と戦う最大の武器はリンパ球です。にもかかわらず、抗癌剤を使うと、このリンパ球が真っ先にやられます。

■抗癌剤は二次的な癌を誘発する?

抗癌剤の副作用は先ほどご説明したように、もっとも怖いのは目に見える部分ではないのです。抗癌剤を使えば使うほど免疫が下がり、かえって再発や転移の危険性を高めてしまうことです。

1998年、アメリカ国立癌研究所は「癌の病因学」というレポートの中で、「抗癌剤は、癌を何倍にも増やす増癌剤」だと断定しています。アメリカ国立癌研究所といえば、世界の癌医療をリードしている最高権威です。そこが、自らそれまで行なってきた治療法を否定する発言をしているのです。

次に、国立がんセンターの先生が、第5回癌についての市民公開講演会「抗癌剤の有効性と危険性」で公演された内容を抜粋してご紹介いたします。

◎抗癌剤の効果とは
通常「抗癌剤が効く」という場合、「癌は治らないが寿命が延びる」くらいがいいところでありまして、「寿命も延びないけれども、癌が小さくなって苦痛が軽減される」くらいのところでも、「抗癌剤が効いた」と我々は言っているのです。
また、抗癌剤で治療して、画像診断では癌が非常に小さくなり、よく効いたように見えたとしても、残念ながら治ることはありません。せいぜい生存期間が少し延びるぐらいであり、再発してきます。それでも見た目には非常に華々しく効いたように見えますので。「効いた効いた」といわれるわけです。
抗癌剤は、毒性が強く、しかもわずかな治療効果しかない化学療法であっても、その治療を希望する患者さんは、われわれの想像以上に多いのです。化学療法はそれなりに進歩しており、今後これがさらに進歩を遂げるかどうかについては、まだ未知数です。それを、この程度の成績では受ける意味がないとして葬ってしまうべきか。どれくらいの治療成績の向上でそれに重要性を認めるのか。これについてのコンセンサスを得るための議論が必要ではないかと思われます。
(※以上、講演内容を一部抜粋でご紹介しました)

どうでしょうか、「抗癌剤」というと、癌を魔法のように消し去ってくれるようなお薬のイメージがありますが、実態はこれまでにご紹介したようなお薬です。

また患者には毎日抗癌剤を使っている医者も、いざ自分が癌になったら、ほとんどの場合「抗癌剤」は使用しないという驚きの話も聞きました。


世界では統合医療などと呼ばれ、様々な治療法の良いところ取りをして、少しでも患者さんに有益になるような治療法の考え方があります。日本では、手術、放射線、抗癌剤の三大治療がメインとなっています。あなた様のご健康のため、もっと広い視野で健康対策考えていきませんか。

それでは、最大の武器(抗癌剤)に効果がないとしたら、患者さんはどうやって癌と戦えばいいのでしょうか?

体質改善・快方のプロセス

私たちは免疫療法や代替療法を推奨いたします。

●補完代替医療(CAM) Complementary & Alternative & medicine

Complementary (補完):通常の医療行為と一緒に
Alternative (代替):通常の医療行為の代わりに
Medicine(医療)

CAMとは、通常の医療の治療法でまだ科学的にその効果が証明されていないもの(証明されていないだけで、効果がないわけではない)。 アメリカではCAM療法の使用率は42.1%(1997年)であり年々使用率は高まってきています。日本における、癌患者のCAM使用率も44%というデータがあります。これからの治療に補完医療、代替療法は欠かせないものでしょう。

「免疫力」と「癌細胞の力」の力関係

  • 健康なとき:
    毎日、癌細胞ができるが免疫の力の方が強いため、大きな腫瘍へとならない。健康体を維持している。
  • 免疫力が低下する:
    疲れ、ストレス、寝不足、加齢などにより免疫力が下がると毎日できてくる癌細胞を抑えきれなくなる。癌が発症。

このシーソーの傾きを、免疫力優位に少しでも戻すことが大切です。病院での治療は腫瘍の大きさは一時的には小さくしてくれますが、このシーソーの傾きはさらに免疫を低下する方向に傾ける治療法が多いのです。

免疫療法で少しでも傾きを戻すことができれば「延命」が期待でき、もし傾きをイーブンにまでもっていくことができれば癌の進行が止まることさえあります。また奇跡的にも傾きを逆転する(免疫力優位)ことができれば自己治癒力で癌をきれいに消し去ってしまうことさえあります。

●具体的になにを摂ればいいの?

鹿鳴堂薬舗では、

  • 免疫を高めるために→ LEM(シイタケ菌糸体培養抽出物)
  • 腸管免疫等、粘膜免疫を高めるために→ ラクトフェリン
  • 血管新生を抑えるために→ サメ抽出脂質
  • 腸の状態を整え、血液を浄化するために→ 植物発酵エキス

等をこの方の体調やご希望を元に組み合わせて、ご提案いたします。

最後に

人間には、「免疫」というすばらしい武器が備わっています。現代医学が進歩した今でも、体の免疫に勝る薬は開発されていません。

癌はある日突然にできた急性病ではなく、毎日の生活習慣からできる慢性病です。そして癌に打ち克つことができるのは、あなた様がもつ「自然治癒力」以外の何者でもありません。

病院の治療では、腫瘍の大きさは一時的には小さくしてくれますが、それ以上に免疫の力、働きも著しく低下させてしまいます。そして、もっとも怖いのはそうした治療を繰り返しているうちに免疫力が落ちて癌細胞をやっつける力までもがなくなってしますことです。ここまでいくと病院では手を離してしまいます。

免疫療法は、この免疫を補う現代もっとも注目が集まっている方法なのです。免疫療法を行った方の体調はよく、西洋医学だけの治療で手を離された症状でも、良くなっていく例が実際にでています。あなた様の健康のため今一度、あなた様がもっている「免疫の力」を高めてみませんか。

養生法

当店がみなさんに啓蒙しています『癌に勝つ十箇条』をご紹介します。

  1. 治そうという心構えを持つ
  2. ストレスをためない
  3. カラダを温める
  4. 発酵食品を積極的に摂る
  5. 血液をサラサラにする
  6. 良く笑うように心がける
  7. 適度な運動を無理なく続ける
  8. 病院の治療だけに頼らない
  9. 働き過ぎに注意する
  10. 玄米や食物せんいを多く摂る

この十箇条は癌の方はもちろん、癌の予防、広くは健康のために役に立つ養生法になります。

特に1.『治そうという心構えを持つ』が重要です。 詳しく解説いたします。

最近、心身症という言葉をよく耳にしますが、これは心と体がいかに密接につながっているかということに多くの人が気づき始めたことをあらわしています。昔から「病は気から」といいます。心配事があってクヨクヨ考えたり、ひどい心配をしたりすると、本当に病気になってしまう、ということがいわれます。

近代医学は病気をおもに細菌レベルでは退治することができましたが、癌や多くの生活習慣病がまだ克服できないでいるのは、心と体のつながりを軽視していたのが、その理由の一つではないでしょうか。

今では、心と体のつながりについては、随分多くのことがわかってきて、心療内科が大繁盛しています。いまや心を無視して体の健康はないし、体を無視して心の健康は得られません。

「生きとし生けるものの病を癒すのは生命力、すなわち生きようとする意志です。これが精神的、感情的、肉体的に病を癒すものなのです。科学的にいえば、あなたのうちにある驚異的な治癒力だけが、あなたの心身の傷、障害を治すことができます」

健康を害している人はたくさんいます。日本の医療費が何十兆円という膨大な数字になってしまったのがその何よりの証拠ですが、それだけではありません。心の病も含めれば、真に健康な人を探すのはかなり難しいのではないでしょうか。

病気を克服する三ステップ

心の深層を活用して病気を克服する場合には三つのステップがあります。ただ信じるといっても、病気のときの人間というものは精神状態が悪くなっていますから、よくない方向へと気持ちが傾きがちです。したがって一定のステップを踏んで、忠実に実行することが大切です。

第一の段階、それはいまの自分の状態が、これ以上悪くなるという考えを捨てることです。いまの病気が悪くなるのではないかという考えは、病気の人に共通したものです。いまの状態がごく初期の軽いものであっても、その病気の最悪な状態を頭に描く人が多いのです。それでは、本当に重体である人と、精神状態においてはなんら変わることがありません。

病気を克服するつもりなら、「いまより悪くなる」という観念をきっぱりと捨てることです。これが第一のステップです。

第二のステップは、自分の今の状態は過去の想念とか行動によって起こったことをはっきりと自覚し、責任逃れをしないことです。運が悪いから、自分には何も落ち度はないのにツイてないからこうなった、等と思うのはマイナスです。そうではなく、なぜそうなったのかを思い起こし、これからはそれを積極的に改めていく決心をすることです。過去をクヨクヨ嘆いていても何の足しにもなりません。

第三のステップは、自分には自然治癒力があると信じることです。ほかに何も難しい理屈を考える必要は毛頭ありません。自分は自然の法則によって癒されるべき存在であること、ただそれだけを信じていればいいのです。
この三つのステップを踏むと、あなたの心の深層に病気が治ることが刻印さていきます。そして肉体は精神と密接にかかわりあいながら、自然治癒力を発揮してくれるのです。私たちは病気というと医者をすぐ頭に思い浮かべます。たしかに医者は病気を診断し、アドバイスを与えてくれますが、けっして癒しの主人公ではないのです。

注射も化学薬品もそれは補助的なものにすぎません。だから「薬石効なく…」という事態も起こります。これはもう自然治癒力がない、あるいは働かないときにそうなるのです。