耳鳴り・めまい

耳鳴り・めまい

耳鳴り・めまいは案外やっかいな病気です。ドクターは命にかかわることはないから我慢しなさいと言われますが、耳鳴り・めまいは本人にしかわからず本当に不快なものです。耳鳴り・めまいを発症される人はほとんどが『腎虚(じんきょ)』の状態であると考えられます。

漢方でいう『腎』とは単に腎臓を指すのではなく、泌尿器系をはじめ生殖系、ホルモン系、神経系、さらにカルシウム代謝や免疫、成長などに関する働きを含む大変幅広いものです。人体の内臓は互いに密接に関係することで全身の健康を維持しています。これらの力が弱って衰えると、人間の身体が本来持っている免疫力や自然治癒力が低下して、難聴・耳なり・高血圧・疲労・精力減退・発育不良・もの忘れ・脱毛・むくみ・頭痛などの症状が現れてきます。

難聴や耳なり・めまいを西洋医学で根本的に治すことは非常に困難です。西洋医学にはこの『腎虚』という概念がないからです。

めまいのもう一つの原因とされるものが『水毒(すいどく)』です。『水毒』は『水が体内に偏在した状態』で、めまいのほかに頭痛・むくみ・下痢・尿量異常などの症状を併発するケースもあります。

カウンセリングと漢方処方

(1) 補腎剤(腎を補う)+駆水剤(三半規管のむくみを取る)の併用

具体的な漢方治療方針の一例をご紹介したいと思います。もちろんその人の体質や症状によってお出しする漢方薬は異なります。

オーソドックスな方法です。マイルドにやさしく効いていきますが、症状が改善されるのにかなりの時間が必要になります。電車に例えると、各駅停車です。
服用期間は半年以上とお考えください。

補腎剤は、腎虚の症状にはかなりの効果が期待できます。(耳と腎はつながっていると考えます)服用後、数週間でなんらかの効果を実感して頂けると思います。しかし、体質改善を考えるとしばらく(半年以上)は服み続ける必要があります。

駆水剤は体内の水分の代謝を調節し、水毒を緩和することで耳鳴り・めまいに効いてきます。補腎剤との併用でさらに効果がアップします。(その人の体質によって違う漢方薬をお出しすることもあります)

【処方例】
ゴレイサン、ハンゲビャクジュツテンマトウ、チョウトウサン、リョウケイジュツカントウ、ハチミジオウガン

(2) 中国の高貴薬・牛黄(ゴオウ)製剤

身体・精神のゆがみを一気に治してしまおうというもので、交通手段にたとえると、新幹線または飛行機になります。ありきたりの治療方法ではないので、こちらをお勧めしたいところですが、欠点としてはかなりの高額商品になります。

しかし、投資して頂くだけの価値があるものです。耳なり・めまいだけでなく、他の不定愁訴もほとんど取り除かれます。一日も早く、今の状況を改善したい場合はこちらをお選びください。(詳しくはお問い合わせください)

体質改善・快方のプロセス

(1)
じっくり少しずつ良くしていく方法です。こうした治療により、まず『体調が良くなった』という感じが得られるようになり、やがて耳鳴り・めまいも改善されていくケースが多いです。

(2)
まず、『体調の良さ』を実感して頂けると思います。具体的には『体が軽くなった』『気力が充実してきた』『疲れにくい』など、自覚症状の伴った改善が短期に現れます。その他、肩こり等、不定愁訴と言われる症状が改善されていき、最後に耳鳴り・めまいが改善されるケースが多いです。私はみなさんにわかりやすく説明するために、耳鳴り・めまいは『ピラミッドの頂点です』と説明します。体のバランスがすべて整って、はじめて耳鳴り・めまいが良くなるという意味です。

養生法

『冷え』『ストレス』が最大の悪化要因です。
前述しました『腎』はこの2要因に弱く、一般的には、夏場より冬の方が悪化する人が多いです。

  1. 身体を冷やさない。(腎の保護)
  2. ストレスをためないようにする。(腎の保護)
  3. 水分の摂りすぎには注意する。(水毒の防止)