性欲減退

性欲が一時的に減退することはよくあることです。その多くが、疲労などの一時的な原因によるものです。

ただ、性欲の減退が長期間に渡ると、本人やパートナーに精神的な苦痛が生じます。性欲は、エストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンによる制御を受けております。こうしたホルモンの血中濃度は月経周期や妊娠により変動し、この変動が性欲に影響を及ぼします。閉経後にはエストロゲン値が下がるため性欲が低下します。左右の卵巣を切除した場合も性欲が低下することがあります。

加齢により、性ホルモンが減少したり、脳内の化学物質(ドパミン・セロトニン・アセチルコリン)が減少することも原因の一つです。

抑うつ、不安、ストレス、人間関係のトラブルなども。性欲減退の原因となります。また、抗けいれん剤、抗癌剤、ベータ遮断薬、経口避妊薬など一部の薬剤や、酒の飲み過ぎも性欲を減退させることがあります。

さらに「特定の疾患から来る精力減退」は注意を要します。

では、考えられる具体的な疾患をご紹介します。

  1. 肝臓病
  2. 高血圧
  3. 心臓病
  4. 腎臓病
  5. 消化器疾患
  6. 神経伝達路の外傷
  7. 精神科疾患
  8. 手術
  9. 糖尿病
  10. 動脈硬化
  11. 脳血管障害

カウンセリングと漢方処方

病気が原因ではない「一時的な性欲減退」の場合は、漢方薬がよく効くケースが多いです。

漢方ではこの「性欲減退」を「気・血・水」の変調による全身バランスの乱れ、あるいは一種の「未病状態」としてとらえます。そして「気・血・水」のバランスを改善する処方や、「腎」を強化する補腎剤などを処方します。

もちろん、非常に高価な漢方薬(高貴薬)、例えば牛黄(ごおう)や鹿茸(ろくじょう、熊胆(ゆうたん)、朝鮮人参などを飲まれると、効果は速やかに現れます。

男性の慢性的な性欲減退には亜鉛をおすすめいたします。亜鉛はテストステロンの合成必要なミネラルで、精子そのものの原料にもなります。亜鉛は人間の体では合成することのできない必須ミネラルですので、食物から摂るしかありません。牡蠣や海藻、玄米などに多く含まれます。

お食事から摂りにくいという方には亜鉛サプリメントをお勧めいたします。工業的に作られたものではなく、天然の酵母から取られた亜鉛の方がよいです。

サプリメントを摂られることにより、30歳代までの若い方なら2週間前後で、それ以上の方でも、一か月ほどで効果を感じられる方が多いです。価格もリーズナブルですので、継続して摂られるとよいと思います。

普段からの「性欲減退」を予防するために、ビタミン(特にB類)やアミノ酸などを摂ることも有効です。

「他の疾患や薬剤による性欲減退」の場合は、その原因となる疾患に対応することが先決になります。

逆に「慢性的な性欲減退」が大きな疾患のシグナルであることも少なくありません。あまり続くようでしたら、躊躇なく病院を受診してください。

体質改善・快方のプロセス

「一時的な性欲減退」の場合、漢方薬(特に高貴薬)が合えば、速やかに疲れが取れることも少なくありません。症状が取れてからも、予防および疲労体質改善のために漢方薬マタハサプリメントを継続服用されることをお勧めいたします。

ただし、「他の疾患や薬剤による性欲減退」の場合は、原因疾患により対処法が異なります。

養生法

「生理的疲労」の場合は「生活習慣を改善」することに尽きます。

  1. 十分な休息および睡眠を取る
    疲れを感じたら、早めに休むことが大切です。疲れが溜まりきってしまったら、回復にも時間を要します。
    早寝早起きを心がけましょう。

  2. バランスの良い食生活を心がける
    疲れを取るには、良質なビタミン、ミネラル、アミノ酸等が欠かせません。玄米、豆類、ごまやナッツ、海藻類、緑黄色野菜、牡蠣などバランス良く摂るようにしましょう。

  3. リラックスする
    ウォーキングなどの軽い運動やアロマテラピーなどで気分転換しましょう。

  4. ゆっくりお風呂につかる
    少しぬるめのお風呂にゆっくり時間をかけて入りましょう。半身浴も効果的です。絶対にシャワーだけで済ますことは避けてください。