眼精疲労

目が疲れると、充血してショボショボしたり、涙が出たり、軽く痛んだりします。頭痛や首のこり、肩こり、疲労感や倦怠感などを伴うこともあります。このような目の疲れとそれに伴う諸症状を眼精疲労と呼びます。

眼精疲労は、健康な人でも、目を酷使すればおこりますが、初期の老眼や白内障でおこることもあります。

眼精疲労を起こす疾患

角膜潰瘍
角膜の表面の上皮だけでなく、その奥の実質まで障害された状態をいいます。

ドライアイ
涙が不足したり、質が悪くなることによって角膜が乾燥して起こります。ドライアイは800万人もの患者がいると想定されていて、いわば国民病のようになっています。

ぶどう膜炎
「ぶどう膜」とは虹彩(茶目)から虹彩から目の後方にかけて連続する組織(毛様体および脈絡膜)の総称です。このぶどう膜が炎症を起こす症状が、ぶどう膜炎です。

白内障
加齢などにより目の水晶体が変性し濁る症状です。加齢以外では、ステロイド剤の副作用、アトピー性皮膚炎などのひどい炎症、外傷などでも起こります。

老眼
正式名称は「老視」といいます。加齢により、水晶体の弾性が失われて、調整力が落ち、近くのものに焦点を合わせることができなくなる症状です。

カウンセリングと漢方処方

漢方では、特別な目の病気がない眼精疲労を全身的な健康状態との関連でとらえ、体質を改善していく処方をお勧めします。漢方では「目は五臓六腑の精が宿るところ」と考えます。内臓の乱れが目に来ると考え、特に胃の乱れや肝臓の乱れに注目します。これらの体質を改善する処方を用いることになります。

また、初期の老眼や加齢性白内障の影響で起こる眼精疲労には、老化現象の進行を抑えることを目指します。

「他の病気が元で起こる眼精疲労」の場合は、その原因となる疾患に対応することが先決になります。

逆に「慢性的な眼精疲労」が大きな疾患のシグナルであることも少なくありません。あまり続くようでしたら、躊躇なく病院を受診してください。

体質改善・快方のプロセス

「特別な目の病気がない眼精疲労」の場合、全身の体質改善をめざす漢方薬を処方いたします。症状が緩和されてからも、予防および体質改善のために漢方薬等を継続服用されることをお勧めいたします。

ただし、「病気が元で起こる眼精疲労」の場合は、原因疾患により対処法が異なります。

養生法

「生活習慣を改善」することに尽きます。

  1. 十分な休息および睡眠を取る
    症状を感じたら、早めに休むことが大切です。放っておくと、回復にも時間を要します。早寝早起きを心がけましょう。

  2. バランスの良い食生活を心がける
    むくみを取るには、良質なビタミン、ミネラル、アミノ酸等が欠かせません。玄米、豆類、ごまやナッツ、海藻類、緑黄色野菜などバランス良く摂るようにしましょう。

  3. リラックスする
    ウォーキングなどの軽い運動やアロマテラピーなどで気分転換しましょう。

  4. 胃腸に負担をかけないようにしましょう
    胃腸のバランスの乱れが目に負担をかけます。心当たりのある人は、暴飲暴食をさけ胃腸をいたわるようにしましょう。

  5. 定期的に目を休めましょう
    目を酷使し続ければ、目の病はいつまでもよくなりません。目が疲れたと思ったら、早めに休憩するようにしましょう。目の疲れを取るマッサージをするとさらによいでしょう。