目の痛み・かすみ

まぶたを押すと痛みを感じる場合は、「ものもらい」の可能性が高いです。チクチク、ヒリヒリする痛みは、紫外線による炎症の可能性があります。ゴミやほこりのような外部からの刺激や、コンタクトレンズの間違った使用によって、角膜が傷ついたために起こることもあります。目のかすみは、そのほとんどが白内障によるものです。その他、老眼やぶどう膜炎でおきることもあります。

それでは、目の痛み・かすみの原因になる疾患別に解説いたします。

目の痛み

群発頭痛
群発頭痛は、緊張型頭痛や偏頭痛と比べて患者数が少ないため、聞きなれないかもしれません。この名称は、群発地震のように、ある期間に集中して頭痛が起こるところからつけられました。非常に強い痛みで「目がえぐられるような」「キリで刺されるような」という例え方をされます。

閉塞隅角緑内障
突発的に顕著な眼圧が上昇します。そのため、目の痛みだけでなく、目のかすみ、視力の低下、充血、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

緑内障(閉塞隅角緑内障を除く)
開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障でも、目の痛みは起こります。しかし、閉塞隅角緑内障のような激しい痛みが出るケースは少なく、徐々に進行していくのが特徴です。

角膜真菌症
真菌(カビ)が角膜に感染しておこる病気です。コンタクトレンズや異物の侵入が主な原因になります。

角膜潰瘍
角膜の表面の上皮だけでなく、その奥の実質まで障害された状態をいいます。

角膜ヘルペス
ヘルペスウイルスが角膜に感染しておこります。痛みだけでなく、不快感が激しく、なかなか治りにくいのが特徴です。

ドライアイ
涙が不足したり、質が悪くなることによって角膜が乾燥して起こります。ドライアイは800万人もの患者がいると想定されていて、いわば国民病のようになっています。

シェーグレン症候群
自己免疫疾患の一つで、最初のうちはドライアイ(目の渇き)やドライマウス(口の渇き)が起こり、進行すると、全身の分泌線がおかされます。

さかさまつげ
まつげが内向きに生えて、角膜に触れて障害を起こします。乳幼児に多く、自然に治ることもあります。

視神経炎
眼球後方の視神経におこる炎症による視機能障害です。眼球の奥が痛むのが特徴です。

ぶどう膜炎
「ぶどう膜」とは虹彩(茶目)から虹彩から目の後方にかけて連続する組織(毛様体および脈絡膜)の総称です。このぶどう膜が炎症を起こす症状が、ぶどう膜炎です。

流行性結膜炎
ウイルスが原因でおこる急性の結膜炎です。別名「はやり目」と呼ばれ、感染力が強いのが特徴です。

目のかすみ

白内障
加齢などにより目の水晶体が変性し濁る症状です。加齢以外では、ステロイド剤の副作用、アトピー性皮膚炎などのひどい炎症、外傷などでも起こります。

老眼
正式名称は「老視」といいます。加齢により、水晶体の弾性が失われて、調整力が落ち、近くのものに焦点を合わせることができなくなる症状です。

結膜炎
ウイルスが原因でおこる急性の結膜炎です。別名「はやり目」と呼ばれ、感染力が強いのが特徴です。

ぶどう膜炎
「ぶどう膜」とは虹彩(茶目)から虹彩から目の後方にかけて連続する組織(毛様体および脈絡膜)の総称です。このぶどう膜が炎症を起こす症状が、ぶどう膜炎です。

カウンセリングと漢方処方

前述しましたように「目の痛み・かすみ」の原因は多種多様に分かれ、それぞれの原因に合わせた処方が必要になります。

漢方では「目は五臓六腑の精が宿るところ」と考えます。内臓の乱れが目に来ると考え、特に胃の乱れや肝臓の乱れに注目します。これらの体質を改善する処方を用いることになります。

「他の病気が元で起こる目の痛み・かすみ」の場合は、その原因となる疾患に対応することが先決になります。

逆に「慢性的な目の痛み・かすみ」が大きな疾患のシグナルであることも少なくありません。あまり続くようでしたら、躊躇なく病院を受診してください。

体質改善・快方のプロセス

ものもらいなどの感染症で起こる症状は、西洋薬による治療が第一選択になります。「原因不明の目の痛み・かすみ」の場合、全身の体質改善をめざす漢方薬を処方いたします。症状が緩和されてからも、予防および体質改善のために漢方薬等を継続服用されることをお勧めいたします。

ただし、「病気が元で起こる目の痛み・かすみ」の場合は、原因疾患により対処法が異なります。

養生法

「生活習慣を改善」することに尽きます。

  1. 十分な休息および睡眠を取る
    症状を感じたら、早めに休むことが大切です。放っておくと、回復にも時間を要します。早寝早起きを心がけましょう。

  2. バランスの良い食生活を心がける
    むくみを取るには、良質なビタミン、ミネラル、アミノ酸等が欠かせません。玄米、豆類、ごまやナッツ、海藻類、緑黄色野菜などバランス良く摂るようにしましょう。

  3. リラックスする
    ウォーキングなどの軽い運動やアロマテラピーなどで気分転換しましょう。

  4. 胃腸に負担をかけないようにしましょう
    胃腸のバランスの乱れが目に負担をかけます。心当たりのある人は、暴飲暴食をさけ胃腸をいたわるようにしましょう。

  5. 定期的に目を休めましょう
    目を酷使し続ければ、目の病はいつまでもよくなりません。目が疲れたと思ったら、早めに休憩するようにしましょう。目の疲れを取るマッサージをするとさらによいでしょう。