むくみ

むくみの症状は、特に女性ならどなたでも経験があるのではないでしょうか?たとえば、二日酔いの朝、鏡で顔をみると、なんとなく顔がむくんでいたり、まぶたが腫れぼったいとか、立ち仕事や、ディスクワークの多い方は、足がむくんで会社帰りにブーツが履けなかったりという経験もあると思います。

一般的には、むくみの原因は、水分の取りすぎや、塩分の摂りすぎといわれます。また長時間座ったまま、立ったままなどの同じ姿勢での仕事や作業などによる疲労や寝不足なども、むくみの大きな原因となります。重力に逆らって足の血液を心臓に戻すのに大きな負担を強いられるからです。

女性であれば、生理の時や、妊娠した場合も、妊娠中や妊娠後期、また産後もむくみの症状が出ることがあります。

しかし、その原因はさまざまで、一過性のむくみもあれば、内蔵疾患など病気が原因のむくみもあります。注意することは、「いつものむくみかな?」と安易に考えずに、状態が続くようでしたら、病気からくるむくみもありえますので、病院で検査をすることも重要です。

それではむくみが起こる代表的な疾患をご紹介します。

  1. 尿毒症
  2. 突発性浮腫
  3. 下肢静脈瘤
  4. うっ血性心不全
  5. 妊娠中のむくみ
  6. 甲状腺機能低下症
  7. 血栓性静脈炎
  8. 肝硬変

上記の疾患に該当しないのにもかかわらず、継続して起こるむくみの場合、心臓、腎臓、肝臓の機能が弱っていないかを疑います。

心臓の機能が落ちると、心臓から全身へ血液を送り出すポンプの力が弱まるため、余分な水分(血液)は肺にたまってきます。肺にたまった余分な水分は静脈のうっ血を起こすため、足にはむくみを生じるようになります。

腎臓や肝臓の機能が落ちると、血液中のタンパク質(特にアルブミン)が減少する低タンパク血症が原因でむくみが起こってきます。腎臓の機能低下ではタンパク質が尿中に過剰に排出される結果、肝臓の機能が低下するケースではタンパク質合成の低下の結果、低タンパク血症が起こりやすくなります。心臓が原因のむくみが足に起こりやすいのに対して、腎臓や肝臓では全身(顔、手足、腹部)に起こりやすい特徴があります。

こうした病気がないにもかかわらず、強いむくみが顔や足に起こることがあります。このようなむくみは健康な中年女性に起こることが多く、いろいろ検査をしても原因が明らかにはなりません。更年期以降の女性に多く見られることから、女性ホルモンの影響が考えられます。

カウンセリングと漢方処方

病気が原因ではない「一過性のむくみ」の場合は、漢方薬がよく効くケースが多いです。

漢方ではこの「むくみ」を「気・血・水」の変調による全身バランスの乱れ、あるいは一種の「未病状態」としてとらえます。特にむくみは「水(すい)の病」とみなし漢方では「水毒」と呼びます。

もちろん、非常に高価な漢方薬(高貴薬)、例えば牛黄(ごおう)や鹿茸(ろくじょう、熊胆(ゆうたん)、朝鮮人参などを飲まれると、むくみも早く取れます。

心臓機能の低下から起こる「むくみ」には場合によっては、サプリメントであるコエンザイムQ10を摂ることでよくなるケースもあります。

「病気が元で起こるむくみ」の場合は、その原因となる疾患に対応することが先決になります(疾患編・参照)。

逆に「慢性的なむくみ」が大きな疾患のシグナルであることも少なくありません。 あまり続くようでしたら、躊躇なく病院を受診してください。

体質改善・快方のプロセス

「一過性のむくみ」の場合、漢方薬(特に高貴薬)が合えば、速やかに疲れが取れることも少なくありません。
「むくみ」が取れてからも、予防および疲労体質改善のために漢方薬を継続服用されることをお勧めいたします。

ただし「病気が元で起こるむくみ」の場合は、原因疾患により対処法が異なります。

養生法

「生活習慣を改善」することに尽きます。

  1. 十分な休息および睡眠を取る
    むくみを感じたら、早めに休むことが大切です。放っておくと、回復にも時間を要します。早寝早起きを心がけましょう。

  2. バランスの良い食生活を心がける
    むくみを取るには、良質なビタミン、ミネラル、アミノ酸等が欠かせません。玄米、豆類、ごまやナッツ、海藻類、緑黄色野菜などバランス良く摂る様にしましょう。

  3. リラックスする
    ウォーキングなどの軽い運動やアロマテラピーなどで気分転換しましょう。

  4. ゆっくりお風呂につかる
    少しぬるめのお風呂にゆっくり時間をかけて入りましょう。半身浴も効果的です。絶対にシャワーだけで済ますことは避けてください。入浴中にマッサージするのも効果があります。

  5. 履きやすい靴を選ぶ
    ハイヒールやサイズの合わない靴は避けるようにしてください。