冷え症
冷え症や低体温は、西洋医学では軽く見られがちです。(『冷え症』という病名はありません)ただ、健康を維持するためには絶対に改善しないといけませんし、放っておくと重大な病気を発症しかねません。
『冷え症』は、漢方が得意とする分野になります。
冷え症、低体温の弊害は、
- 免疫が落ちる
- 癌やウイルスに罹りやすくなる
- 新陳代謝が悪くなる(老けやすい、太りやすい など)
- アレルギーや肌荒れをしやすくなる
- 自律神経が乱れやすくなる(精神不安定、胃腸障害 など)
- 肩や腰が凝りやすくなる
- 不眠
- 体力低下
などで、まだまだ数多くあります。ご存知のように、冷え症&低体温は血行不良から起こります。血行不良の原因は、間違った食生活、生活環境(衣服やエアコン)、運動不足、肥満などが挙げられます。
血行不良になると、末梢組織まで血液が流れにくくなります。特に赤血球は体の隅々まで、『酸素』と『栄養素』を運搬する役割があります。漢方薬も赤血球を通じて運ばれます。
以上のことから、血行不良は単に不快であること以外にも、末梢組織の『酸欠』『栄養失調』を起こすことになります。そんな状態で『自然治癒力』が維持できるはずがありません!私は別の疾患でご相談を受けた際、先に血行不良を治すことを優先するケースもございます。
カウンセリングと漢方処方
血液を浄化し、血行を促進する漢方処方。自然治癒力を高めるための基礎、『血液浄化』と『血行促進』を目的とする漢方薬があります。健康は血液から始まります。
また、ご高齢の方の冷え症には『腎』を補う処方をお出しするケースもございます。
【処方例】
トウキシャクヤクサン、ケイシブクリョウガン、カミショウヨウサン、トウカクジョウキトウ、トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ、ハチミジオウガン
体質改善・快方のプロセス
赤血球の寿命は120日間と言われております。赤血球は骨髄で作られて、役目を終えた後は脾臓・肝臓で壊されます。汚れた血液、すなわち淤血(おけつ)をキレイで正常な血液に、魔法のように一瞬で換えることは漢方薬でも出来ません。
骨髄で作られる新しい血液を少しずつキレイにしていくことが大切です。このことから考えても、漢方薬を服用してから最低でも120日、経過しないと本当の効果は現れません。120日でキレイに入れ換わった血液も油断をすると、すぐに汚れていきます。(環境ホルモンや食品添加物などにより)常に健康な血液を維持するためにも、継続して漢方薬を服用することが、根本的な『冷え症』対策と言えます。
どうぞ、辛抱強くお続けください。
養生法
免疫系の正常化が最も大切です。
- 朝食を摂る
体温や代謝を高めて体を目覚めさせるために朝食を摂りましょう。 - 温かい飲み物を摂る
カフェインを含むものは避け、葛湯やしょうが湯、カモミールティーなどがおすすめです。 - 運動で筋肉を増やす
筋肉を増やすことが体から発散する熱量を増やす一番の近道です。 - 温めのお風呂にゆっくり入る
末梢血管を拡張させ、リラックスすることによって自律神経の乱れも調節できます。 - 冷暖房や衣服の調整
冷房のかかりすぎは厳禁です。重ね着などで対処してください。